生徒の思考を発達させるのに、教室内の対話(教師と生徒の対話&生徒同士の対話)をどうデザインするべきかを論じた本。対話を用いた学習に関心の深い勉強仲間の国語の先生とペア読書で読了。僕も、作文の協同推敲に生徒同士の対話を活用できないか考えているので、面白いテーマだった。
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ざっくり書くと、超・要点は以下の通り。
(1)相手と建設的に対立して議論を進展させる「探究的な対話」(exploratory talk)は、放っておいても発生しない。だから、教えなければならない。
(2)そのために開発され、効果が実証されてもいるプログラムが、Thinking Together プログラムである。
(3)ここでの教師は、ファシリテーターでも伝達者でもなく、様々な役割を戦略的に選択する「知の世界へのガイド」である。
(4)具体的には、教師がやるべきなのは以下の通りである。
・対話のグランド・ルールを示してポスターなどに示す
・教師自身がモデルを示し、例示などを交えて伝達する。
・授業を次の3つのステージで構成する。全体のレクチャーと個別の活動のバランスが大事。
1)教師主導の全体セッション→2)グループ活動→3)クラス全体の振り返り
(5)統制群を用いた調査の結果、Thinking Togetherプログラムを受けた生徒は、教科の内容理解についても、議論の態度についても、有為に高い成果を収めた。
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この本、上の他に第3章で協同学習についての先行研究がまとめられていてそれも役立つのだけど、一番面白かったのは、上記(3)〜(4)で示されたThinking Togetherプログラムの教師の役割が、ライティング・ワークショップの教師のそれとそっくりなこと。特に授業を構成する3ステージは「教師によるミニレッスン→生徒が個別に書く時間→共有の時間」というライティング・ワークショップのそれと全く同じ。同じルーツがあるのかしら。それとも、これがよほど効果的な方法なのか。いずれにせよ面白いなあ。
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それにしても、今回一緒に読んだ勉強仲間は国語の先生なのに英語がとってもできる人なので、わからないところを遠慮なく質問できて、大変助かった。そして、半年くらいの読書期間の間に「あすこまさん、英語上達しましたね」としっかり褒めてくれたのも嬉しい。先達はあらまほしきことなり、ですな(^_^)