沼野充義がホスト役となって繰り広げられる、文学をめぐる対談集。相手として登場するのはリービ英雄、平野啓一郎、ロバート・キャンベル、飯野友幸、亀山郁夫。時間/空間/ネットなどの境界を超えた「世界文学」への意識を軸に、様々なジャンルの文学について語っている。
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全体として、沼野さん、ちょっと饒舌すぎがなと思う。対談の前の解説が長過ぎて、先に進みたい思いがそこで抑えられてしまう感じがあって、もどかしかった。
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でも、飯野さんとの対談「詩を読む、詩を聴く」で紹介されたロシアの詩人ヴィスワヴァ・シンボルスカ「とてもふしぎな三つの言葉」は好き。
とてもふしぎな三つの言葉
ヴィスワヴァ・シンボルスカ(沼野充義/訳)
「未来」と言おうとすると
「み」はもう過去のものになっている
「静けさ」と言うと
静けさをだいなしにしてしまう
「何もない」と言うと
何もない中に収まらない何かが生まれる
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シンボルスカの詩集『終わりと始まり』、読んでみよう。