「哲学は部活だぁ」!「哲学は部活かぁ」?

「哲学は部活だぁ!」というイベントに同僚を誘って参加した。以前にこのブログでも触れた、学校の現場で哲学教育の普及に関心のあるメンバーの意見交換の場、である。

 

イベント紹介:教育関係者向け「哲学対話」イベント2つ

2015.06.14


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なぜ「哲学は部活だぁ!」なのか。UTCP(共生のための国際哲学研究センター)が行う哲学普及活動の一環として、学校に哲学教育を広めたいという動きがあるからだ。ところが、学校の授業の中で哲学対話を取り入れるには人数や評価など現実的な障害の問題もある。また哲学的にものを考えるのが好きな生徒にとって授業外でもそれができる場を提供したい。もろもろ考えれば、部活という形でやるのが良いのではないか、と、まあそういう趣旨らしい。部活なら先生の仕事としても認めてもらえるし、学校間の交流もやりやすい、という思いもあるようだ。集まってきたのは、東京近辺を中心に授業の中で哲学対話を行っている先生たち、あるいはそれに興味のある先生たち。

この会のディスカッションの内容自体は公開するものではないと思うのだけど、「哲学は部活だぁ!」ではじまった会が、終りのほうには「哲学は部活じゃない方がいい」という意見がよく出ていたのが面白かった。まあ僕も、教員側・生徒の側のそれぞれの理由で「哲学部」にはならない方がいいと思う。

ところで僕自身は、自分の授業の中で哲学対話をしたことは一度もない。それを参考にした対話型の授業があるだけである。

大切なことを絞って繰り返す:教室全体でのディスカッションをやって

2015.06.04

ただ、数年前に一度、現代文の授業で夏目漱石の『こころ』を扱った時に、そのスピンオフ企画として「善悪は存在するか」という哲学対話をやったことがある。ファシリテーターとして外部の哲学対話教育の方をお招きして、高校生が10人くらい参加してのサークル対話の場。あれが面白くて、また、そういう場に興味を持つ生徒が意外にいることや、そういう話をふだん生徒同士でできる機会が意外にないことがわかってよかった。それでいつかまた、できれば定期的に、放課後にああいう場が設けられたらいいなという思いがある。

たとえば、月1回や学期に2回くらい、放課後で、外部の方(大学院生さんとか)をファシリテーターに招いて自由参加の哲学対話をやるイメージ。場所はやっぱり図書館でしょう!

会の終了後には、同僚とお互いのやりたいことのイメージの摺合せをしたり、開智中高や京北中高といった哲学対話教育に学校全体で取り組んでいる学校の方々とお話ができて事例を聞けたり、なかなか面白かった。一人でやるのは大変だから、校内外に協力してくれる人をつくりながら、進めてみたいと思う。実際に活動できるのは来年の秋以降になりそうだけど、この日がその種まきの日になってくれるといいな。

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