自分のメモも兼ねて記事紹介。デジタルハリウッド大学大学院教授の佐藤昌宏さんのインタビュー記事。 「やる気」と「能力」の2軸によって生徒を4つのタイプに分類し、「MOOCs」「反転学習」「アクティブ・ラーニング」「先生(による直接教授?)」がそれぞれどの生徒に効果的かを示している。
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おおざっぱには「そうだよな」と頷ける面もあるものの、「能力」と「やる気」が独立した別の変数でいいのか疑問だったり、「MOOCs」「反転学習」「アクティブ・ラーニング」「先生」が本当に同レベルのカテゴリ同士なのか気になったりする。
それに何より、「MOOCsは優等生向け」「アクティブ・ラーニングは学習意欲の低い子向け」というのが何の根拠に基づいているのかもちょっとよくわからない。現象としては、たしかに学習意欲の高い子はMOOCsの遠隔講義にも耐えられるだろう(その意味でたしかに意欲の低い子向けではない)。しかしそれは、意欲の高い子にMOOCsが効果的ということとイコールではない(MOOCsではなく従来からある本を読んでも同じように学べるかもしれないので、そこと比較しない限りMOOCsが特に効果的とは言えない)。データのもとになっているのが何の論文なのか知りたいところだ。
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というわけで疑問点も色々あるのだけど、いつの時代にもあるような「テクノロジー万能論」や「アクティブ・ラーニングが日本の教育を変える」的言説から身を守るために、「どこに効果的なのか」という限定的視点を常に持つことは大事だなあと思った。僕もその点は常に意識しておこう。