ツイッター経由でこんな記事を読んだ。Wikipediaを参考文献にしていいかどうかという主な論点がけっこう整理されていて、面白い記事だと思う。
▷ Wikipediaを参考文献にして良いかどうか問題
(HUFFPOST SOCIETY)
特に、ここで「参考文献にしてはいけない」という側の主な理由5点にはは、レポートなどの調べ学習を課す中高の教員がよく言っていることが含まれている。「匿名の不特定多数」「他人のチェックがない」「情報が変わる」あたりは僕も身に覚えがありすぎる。
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一方で、それに対する反論ももっともな内容だ。Wikipediaの欠陥は、程度問題ではあるが書籍や学術的な論文にもあてはまるもの。だから一概に「Wikipediaだからダメ」「学術的な論文だから良い」というわけではなく、あくまで程度問題として「学術論文のほうが比較的安心」に過ぎないんだろう。
もちろん、さすがに査読付き学術誌の論文だとしっかりしてると思う。でも、そこまで本格的な論文を読める中高生はほとんどいないわけだし、実際に中高生が手にとりそうな新書だと、あやしいものも時折見かけるわけで…。
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それを踏まえると、一番まっとうな指導は「Wikipediaを参考資料にしたらダメ」ではなく、「本だろうがWikipediaだろうが、情報源の信頼性を他のメディアでチェックしてから参考にしなさい」ということになんだろうか。しかし、言っただけだと何の効果もないだろうし、これをちゃんとやらせるのは難しそうだ。何しろ、子どもに限らず「ネットで調べる」のがデフォルトな世界である。
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探究型学習で有名なある学校は「数種類以上のメディアを参考資料として使うこと」を義務づけている。あえて「ネットを全く使わせない」という方法をとっている別の学校もある。後者の事例は最初に知った時は「今どき?」と思ったけど、「ネットでの調べ方はどうせ各自身につけるんだから、学校ではそれ以外を押し付ける」のも見識だと思った。
どういう形にすれば、結果として「本もネットも両方使って調べ物をする」ことができるようになるんだろう。そしてWikipediaの扱いは? 色々と呑み込みつつ「Wikipediaは引用してはいけない」と言うが現状ベストなのかなという気もするけど、あるいは…?