生徒同士のカンファランスのコツは?

こちらのエントリで紹介した本、生徒同士のアンファランスのところだけ、PC上でざっと斜め読みした。

生徒同士のカンファランスについての新刊を知る

2015.01.31
「ざっと斜め読み」といえば聞こえはいいけど、そもそも英語力がないとなかなか斜め読みもできないものですね(^_^;) 中1生徒には「情報を得るための読書では、最初から最後まで通読しなくて良い」「最初にざっと目を通して、読むべきかどうか、どこをしっかり読むべきかを決めよう」と言っているんだけど、読むのが苦手な生徒にとっては「できれば世話ないよ」という話なのかもしれぬ…。

それはさておき、このMark Overmeyerの「Let’s Talk: Managing One-on-One, Peer, and Small-Group Conferences」では、教師と生徒のカンファランスに加えて生徒同士のカンファランスについて、成功させるためのコツが書いてある。いくつかメモするとこんな感じ。

・まず、何をするのかを明確にすること。生徒同士、あるいは教師がモデルを示すと良い。
・書き手は、特定の具体的な課題を伝え、該当箇所を音読して、もらったアドバイスをメモする。
・聞き手(読み手)は、まず聞くことに徹する。明確な問いで聞くこと。
・生徒同士のカンファランスでは、文法や語のチェックではなく、中身に焦点をあてる。
・ピアの組み方には色々あるが(固定したり、毎回変えたり)、長短あってどれが良いとは言えない。

…あまりにざっと読んで既知の情報しかキャッチできなかったせいか、正直「うん、わかってる…」という内容が多かった。ただ、実際のカンファランスのモデルを最初に示すことをこれまでしてこなかったので、次の授業ではちゃんとしてみよう。教師がモデルを示すのは、どんな場合でも効果的なはずだ。

また、「生徒同士のカンファランスでは文法や語のチェックではなく、中身に絞る」については、アトウェルも同じことを言っている。これは僕も全く同感で、生徒同士のカンファラスは文法ミスや誤字のチェックには向かない実感がある。なにせ、なかなか気づいてもらえないのだ。

作文の質をあげるために、生徒同士のカンファランスの質をどうあげるか。それは僕の一番の関心事である。経験的にはわかってきたこともあるけど、研究的な裏付けが欲しいなと思う。例えば、以前読んだ

  • Kristi Lundstrom&
  • Wendy Bakerの
  • 「To give is better than to receive: The benefits of peer review to the reviewer’s own writing」という論文は、フィードバックを受ける側よりも与える側のほうがその後の作文の質が向上するという研究結果を示してて面白かった。そういう、実践と研究をつなげる本が読みたい。残念だけど今回の本は、そういう方面の引用文献は多くなさそう。でも、ざっくり読み過ぎたせいだと思うので、今度、ちゃんと読み直します。
     

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