作文教育に関心がある人間として、「出版学習」にとても強い興味を持っている。企画からまるごとつくりあげる本物の本。これって、文章を本気になって書くにはこれ以上ないシチュエーションだと思う。
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実は去年は中3の少人数選択制授業で、総合学習のガイドブック本を自費出版するという授業をやった。お金を科研費で得ての初めての本格的な出版学習。大変だけど、充実した日々だった。100ページ超の本が印刷製本されて届いた時は、嬉しかったな。下級生にプレゼントして、生徒たちと打ち上げもしたし。
あそこまで本格的なのは簡単にはできないけど、もう少し手軽な感じで出版学習ができないかな。そう思っていたところ、こんな情報を見つけた。ふむふむ、チェック。
▷「1冊から」「数百円で」本が出版できる「OneBooks」を使ってみました (GIGAZINE)
おー、出版学習の大きなネックは資金だから、これはちょっと魅力かも。でも色々と技術が必要そうだけど…。
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安上がりという点では電子書籍だし、動画なども使ったインタラクティブな出版もできそうなので、将来的にはこれもやってみたい。今の所電子書籍出版の授業で注目しているのは、イギリスのProject Too Many Cooks。
▷ A novel way to boost personal skills (Royal Hollowy, University of London)
これ、16歳以上の高校生たちが共同でアマゾンに電子出版するプロジェクト。これは、作文教育の文脈じゃなくて、共同作業が生徒の認知スキルをどう伸ばすかを調査するのが目標のプロジェクトで、主導しているのはロンドン大学ロイヤルホロウェイ校の心理学部の研究者たちみたい。とはいえ、作文教育的にもとても興味深いプロジェクトで、いつかこの人たちの現場を覗けないかな、と思ってる。
それにしても、共同出版プロジェクトの名前がToo Many Cooks(船頭多くして船 山に登る)。小粋なブリティッシュジョークなんでしょうか…?