インドア系だらだら読書派の僕としては珍しく、この夏休みは、定例の部活の合宿以外にも、ふだんは経験できない校外の活動に忙しくしております…。その一つが、他の学校・校種の生徒たちとの合同合宿だ。普通学校と特別支援学校の合同合宿というなかなか珍しい体験だったので、今日のエントリではその感想を簡単に書いてみたい。
珍しい異学年&異校種の合同合宿
この合宿、参加者は、複数の普通学校の小学4年生から高校3年生までの生徒たちに加えて、やはりその年代の視覚障害・聴覚障害・肢体不自由・知的障害といった複数の特別支援学校の生徒たちをまじえた、総勢70名ほど。ぼくの勤務校の生徒たちも参加していたので、引率合宿という形になる。僕はこの合宿に「生徒委員会担当」の一人として関わっていた。おかげで、異なる学校の異学年の生徒同士が、たった3日間のプログラムで、あてられた課題をなかだちに急速に関係を築いていく様子を、間近で見させてもらった。
もちろんそれも面白かったのだけど、それ以上に勉強になったのは、他校の先生と生徒さんの関わり方を見られたこと。特に、生徒と寝食をともにしていた知的障害や肢体不自由の学校の先生たちの働きぶりは、文字通り「親代わり」で、強烈に印象に残った。同じ「先生」とは言っても、その仕事内容はこんなに違うのか。これは実際に接してみないとわからなかったなあ…。自分の学校での仕事を見直すいいきっかけになった。
「コミュニケーションの量」の大切さ
もう一つ大きいのが、特別支援学校の生徒さんたちの存在だ。何かをまるで理解できていない時に、よく「何がわからないのかがわからない」と言うけれど、自分にとってはこういう体験の連続。たとえば、視覚障害や聴覚障害の生徒さんたちが何ができて何ができないのか。どう対応すれば良いのか。経験のない自分にはわからないことだらけだった。聴覚障害の生徒さんの中には健聴者とあまり変わらない発音をする生徒さんがいて、てっきり普通に話しても平気なのかと思って会話すると伝わらない、ということもよくあった。
こうした難しさは、コミュニケーションの量しか解決できないのだろう。実際、僕より遥かにコミュニケーションをとっている生徒同士は、「わからない」と言いつつも、それぞれに工夫を重ねていたのである。生徒同士の委員会の議事録をその場でモニターに写して聴覚障害の生徒にも議論を可視化したり、キャンドルファイヤーのときにも進行状況が手元のスマホでわかるようにしたり…。うまくICTを使ってコミュニケーションをとってる様子が、まさにInformation & Communication Technologyって感じで、生徒ってすごいなあと心底関心。
なかなか得がたい体験でした
ぎゅっと濃密な3日間。実際のところ、部活の合宿引率の翌日からの引率業務ということでかなり疲れてしまい、耳の持病が悪化してしまったのだけど、なかなか得難い体験でした。こういう合同合宿、全国的にも広がっていくといいのにな、と思う。