土曜日午後は某大学の司書教諭課程「学習指導と学校図書館」。いよいよ前期の終盤。
この授業、司書教諭課程とは言っても、教職の単位に読み替えが効くこともあって、実は司書教諭を特に志望していない学生さんも受講している。だから、特に本や図書館に関心もない、むしろ図書館にこれまで全く縁がなかった学生さんも少なくない。例えば通信制高校には図書館がないらしく「自分で本を選んで読んだことがない」という方も複数いる。
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今回の講座では「自分で本を選んで読んだことがない」「これまでWORDを使ったことがない」という学生さんに、読めそうな本を探す手伝いをしたり、レポート提出用にファイルの保存や添付の仕方を教えたりと、それぞれ個別フォローの必要があった。 また、受講生のうちCiniiを知らない学生さんが半数近くおり、図書館にある新聞のデータベースを使った経験のある学生さんはゼロだった。学校図書館の司書教諭資格科目で、である。
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色々と思うところはあるのだが、教わらなかったことは彼らのせいではない。「高い学費を払ってるんだから、卒業前に図書館の色々な機能を使わないと損だよ」と、図書館での実習の時間をとって触ってもらっている。でも、教えてももう4年生なのだ。入学時にデータベースの講習会とかがあればいいのに、と思う。
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いま授業は「学校図書館を使った授業案を考える」段階。正直なところ、図書館を活用した授業を考えるというより、「自分たちで図書館を活用してみる」というのが実態に近い。司書教諭と司書の役割分担とか、校内体制における司書教諭の役割とか、そういう話があまりできないで終わってしまいそうだ。
「学習指導と学校図書館」の科目である以上、教えるべき内容もある程度決まってるのに、これでいいのかなあという迷いがある。でも、「まずは図書館を使ってみる」「自分で何かを調べてみる」という経験を抜きにすることもできない。個別フォローや学生さん同士の相互フィードバックをまめにやっているおかげで学生さんとは良いコミュニケーションがとれてきているし、彼らの授業満足度も高そうなんだけど、本当にこのやり方でいいのかどうか。どうやら、3年めも迷いながら終わってしまいそうだ。