「学習指導と学校図書館」、3年めの授業デザイン変更

今日は、非常勤で出講している司書教諭資格課程「学習指導と学校図書館」の授業日。3年めだけど、昨年あたりでようやく学生さんの雰囲気も掴んで、まだスタイルを模索中の授業だ。

この授業の主な目標は、学生さんに「探究型学習」 の指導法を理解してもらうとともに、図書館での学習活動を学校全体に位置づけるために司書教諭が果たすべき役割について理解してもらうこと…なのだけど、これをすべてやるのはどうも無理らしいということが、初年度でわかった。テキストはこれまでこの本を指定していて、とてもいいテキストだと思うんだけど、カバーしきれない(カバーしようと急いだら、学生さんの理解がおいつけない)。そもそも、調べ物で図書館を使った経験がない/乏しい学生さんが多いのが実態なので…。


学習指導と学校図書館 (放送大学教材)
堀川 照代
放送大学教育振興会
2010-06

ということで、まずは、図書館の利用法を知ってもらうこと。図書館を使った学習活動、とりわけ、探究的な学習がどういうものか体験的に理解してもらうこと。2年目は、そこに焦点をあてて授業を作ってみた。玉川学園という立派なお手本を見学しつつ、探究のプロセスのモデルに沿ってそれぞれの場面でどんな支援が必要かを教えた後で、学校図書館を活用した授業を考えてもらう、という授業。一年目よりは、地に足がついた授業になったかな。

3年めも基本的な方針は変わらない。下記エントリで触れたように玉川学園にはまたお邪魔させていただいた。

玉川学園MMRC、組織的な取り組みの強み

2015.04.19

でも、学校図書館を研究している先生の助言もあって、探究型学習のプロセスを学ぶ段階で、やり方を変えた。最初に一コマ、「何も指導をしないで、自分の調べたいテーマについて自由に調べてもらう」経験をしてもらったのだ。しかも、その時の自分の行動や考えたことを記録してもらった。で、そのあと「どの段階で困ったか」「その時どんなことをしたか」「何を考えていたか」をシェアすることから始めて、「探究型学習のどの段階で、どんな指導が必要なのか」 を学び、考えてもらう形にした。

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 意識したのは「基礎に降りていく学び」というやつですね。基礎練を充分に積んでから試合に出るんじゃなくて、まずは試合に出てみてから、どんな基礎練が必要かを考えてもらうパターン。履修者が9人とグループワークにちょうどいいこともあって、今日のところはうまくいったように見える。どんなところで学生さんがつまづきやすいか、どこを教えるべきか、そのために提示すべき知識は…など、各自の経験やこちらで提示した資料をもとにしてグループで議論&発表して、ポイントは押さえられたかなと思う。時間はかかるけど、実にはなっているはず。ただ、時間はかかる…。

学生さんの図書館経験自体が少ないので、本当はもっと図書館を使う時間をたくさん用意したい。しかしそれは次回以降。時間のことも含めて「基礎に降りていく学び」スタイルが機能するかどうか、 もう少し様子見だ。こうやって本務校以外にも授業スタイルを模索する機会があるのは、ありがたいな。この経験が、自分の学校の授業にも、いつか返ってくると思う。

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