先日の家族旅行で訪れたサーク島の属するチャネル諸島の中心はガーンジー島。フライトの合間に時間ができたので、家族でガーンジー島をお散歩して、その中で2つの公共図書館を訪問してみた。
実はこのガーンジー島自体が海に囲まれていて自然に溢れていて、のんびりできる素晴らしい島。かといって、サーク島と違って車は走ってるし飛行機や船でイギリス本土にもフランスにも行けるので、一定程度の便利さも確保されている。散歩中に偶然お会いした日本人の方(イギリス人と結婚されてガーンジー島在住)も「以前は東京に近いところにいたのですが、ここでの暮らしは本当に違います」と、ここの雰囲気が大好きなご様子で、走り回る2歳のお嬢さんを目を細めて眺めていらした。
このエントリでは、そんなガーンジー島の公共図書館のうち、中央図書館であるGuille-Alles公共図書館について書いてみよう。
Guille-Alles公共図書館の外観はこんな感じ。街の中心街にとけ込むようにして存在する。
「あれ、メインの図書館のわりには小さい?」と思ったのだけど、中に入ると意外に奥行きのある空間だった。入ってすぐの1階フロアは、イギリスではおなじみの自動貸出機と館内イベントの案内。そこから階段で2階に上がると、中央すぐに見えるのが児童書コーナーだ。これがまた充実していたので、児童書コーナーについて中心的に書いてみよう。
サービス充実の児童書コーナー
児童書コーナーでは、本や絵本はもちろん、オーディオブックもたくさん貸出可能。妊娠の本や、子供がDVから身を守るための本も目に付きやすいところにある。本以外だと、PCコーナーはもちろん、ぬいぐるみ・レゴ・塗り絵・ジグゾーパズルもあって、あすこま家の子供たちもここで1時間以上お世話になった。
デンマークのBiblioteket KulturværftetやスウェーデンのMalmö stadsbibliotekのような広々とした場所ではないけど、普段使いとしては十分に過ごしやすい、楽しい場所である。
壁の案内を見ると、この児童書コーナーでは毎日何かしらイベントが開かれている。驚いて「図書館員が全部ファシリテートするのですか?」と聞いたところ、アシスタントの方が幾つかの図書館を回る形なのだそうだ。
「本当は宿題を一緒にやるイベントも始めたのだが、そちらはまだあまり人が来てくれない」とのこと。
ここの図書館は学校との連携もやっているらしく、3階には学校の授業用の部屋もある。学校の先生が引率してきて、ここで図書館員がCWICERというモデルに基づいたリサーチ・リテラシーを教えるらしくて、これは実際にどうやるのか興味深い(学校の先生との連携をどう進めるのかもっと聞けばよかったなあ…と後で後悔)。
しっかりゾーニングされた大人向けのコーナー
大人向けのコーナーは全体的に静かな空間。とはいえ、小説やオーディオブック、DVDが中心のコーナーにはソファがあってリラックスできるようになっており、それ以外の本のコーナーは机で調べ物やPC利用もできるようにと、ゾーニングはしっかり。
面白いところでは、言語のコーナーではフランス語が多かった。これはきっと、サーク島と同様に地理的にフランスとの関わりが深いことが影響しているのだろう。おなじみの郷土資料もあるのだが、これについてはこの島のもう一つの公共図書館であるPriaulx Libraryについてのエントリで触れたい。ちなみに廊下には大人向けのジグソーパズルも貸出しされていて、子供向けと同様、これも人気らしいです。
大きくはないけれど、機能充実の中央図書館
というわけで、Guille-Alles公共図書館は、大きくはないけれど、基本的な機能はしっかり詰まって、特に子供向けのサービスが充実している。子育て期間中に子供と一緒に図書館でも…というシチュエーションには最適な図書館かも。ガーンジー島にはこんな良い図書館もあるのかあ、うーん、ここで子育てする人がますます羨ましい。いつかこんなところで暮らしたいな!