垂涎ものの児童書コーナー! Malmö stadsbibliotek(デンマーク図書館印象記6:スウェーデン編)

コペンハーゲン中央駅から電車で30分。海峡を越えると、そこはもうお隣の国スウェーデンの街マルメである。この街にあるのが、4階建ての大きなMalmö stadsbibliotek(マルメ市立図書館)だ。

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憧れてしまう抜群の雰囲気の良さ

いきなり玄関前のディスプレイで、吉本ばなな「台所」がお出迎え。うん、間違ってはいないよ…。

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このマルメ図書館、写真を見てお分かりのように、大変立派な図書館である。特にガラスの壁近くにある半個室スペースが格好よくて見ているだけでテンションが上がる。また、一階の閲覧フロアにある椅子や照明もいちいち雰囲気がある。こ、これが北欧パワーなのか…。

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家族で賑わう8歳までの児童書コーナー

しかし、この図書館で特筆すべきは子供向けの児童書コーナーだろう。何よりもまず、0歳〜8歳までと9歳〜12歳までに分かれていることに驚く。本当はティーン向けのコーナーもあったらしいのだが、「あまりうまくいっていなくてどうするか考えているところ」(スタッフさん談)とのこと。


0歳〜8歳までのコーナーは、本来あった一階がいま改装中ということで、3階に引っ越し中。広いフロアがいくつかに区切られ、赤ちゃん連れや幼児連れのご家族で賑わっている。平日午前中なのに、育児休暇中なのかパパさんが多い!

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ソファ、絨毯などがたくさんあって、赤ちゃんが座って遊べるようになっている。積み木や塗り絵用の紙やクレヨンはもちろん、驚いたのは電子レンジ。ちょうどそれを使って離乳食を食べさせているお母さんグループもいらっしゃった。


什器にばかり目が奪われがちだけど、絵本の数もとても多い。コーナーの一角には他言語の絵本や読み物も。なんと日本語もあった!

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遊べる要素満載!9−12歳のコーナー



二階にある9歳〜12歳のコーナーに行くと、こちらは親の手を離れた子供が一人で遊べる楽しい仕掛けがいっぱい。階段の上の隠れ家的なスペースあり、絵の具あり。シンクあり、衣装あり。小部屋にはシンセサイザーやドラムセットやゲームあり。図書館というより、「こどもの城」「おもちゃ美術館」を思い出す施設だ。これ、本読むのかな(笑)


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多彩なワークショップを支える司書さんたち

「日本の図書館の児童室にはないものばかりで驚きました。どうしてこんなに色々なものを?」と質問してみたところ、「子供たちに必要なものが何かを徹底的に考えた結果、こうなりました」とおっしゃっていた。

同時に、コーディングや編み物などのワークショップの案内があるので、頻度を聞いてみたところ、何と「週に数回」とのこと。そのうち、週に1回は外部の方を講師に招いてしっかりした構成のワークショップをやり、それ以外はスタッフの方がちょっとしたものをやるらしい。スタッフの方は、外部講師の方を招く回の時に参加してやり方を覚えるのだそうだ。ううむ、すごすぎる。


そしてワークショップに参加した子供達が作ったお話は、簡単ながら製本され、すべて貸し出しができる! 学校図書館ならともかく、公共図書館でこれは驚いたなあ。

帰り際にもう一度入り口を見ると…



建物のデザインも素敵なのだけど、やっぱりここの子供向けコーナーの充実ぶりが特筆もの。スウェーデン語がわかれば、他にももっと色々な発見があったかもしれないな。出るときには、難民を積極的に受け入れているスウェーデンらしいポスターも。

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子供向けコーナーはまたリニューアル予定だそうで、いつの日かまた訪れてみたいなあと思った図書館。コペンハーゲンに行く人はぜひ足を伸ばしてみて!

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