学芸大学附属世田谷中学校図書館見学

今日は午前中で授業を終えると、二人の司書さんと学芸大学附属世田谷中の図書館見学へ。図書館での総合学習の授業を見せていただきに。

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学芸大学附属グループの学校図書館といえば、「先生のための授業に役立つ学校図書館活用データベース」の運営を始め、積極的に外部に情報発信している国立大学附属校図書館のトップランナーである。実は、本校の図書館も司書着任前にレイアウト変更を行った際、こちらの司書の先生に助けていただいて以来、色々なところでお世話になっている。

 ▷ 先生のための授業に役立つ学校図書館活用データベース

 

今日見学したのは中2・中3で行われている、総合学習の枠内の選択授業。図書館を舞台にして、10数名の生徒さんが 自分でテーマ設定をして調べて発表会を行うスタイルで、約半年かけて行われる。今日はまだ序盤と言っていい2回めの授業。仮のテーマ設定の段階で、生徒さんたちは図書館で色々な調べ物をしたあと、各自のテーマを発表していた。ちなみに、図書館にはiPadがあって、生徒が調べ物に自由に使えるようになっている(MacFanという雑誌の2月号にこちらの学校のiPad活用の記事があったので、興味のある方はバックナンバーをどうぞ)。

授業ではPost-it Plusアプリが使われていて、自分のメモも他の発表生徒へのコメントも基本的にポストイットに書いてこのアプリで撮影して、Air Dropで先生に送るかたち。このへんはICT活用としては目を惹く所だと思う。ただ、アプリは実はあまり僕の興味ではなくなってきた。僕は毎回の授業でiPad miniを使う人だけど、以前に比べたら使うアプリは格段に減って、タイマーアプリとカメラアプリを高頻度で使う程度。教室にWifiとモニターがあれば、Apple TVを経由してもっと色々と使うかもしれないんだけど…。でも、問題はアプリじゃなくて、授業の設計やその背後にある思想なんだよな。iPadのアプリを駆使してても授業としてどうかな、というような授業も色々と見てきたもの。

その授業の組み立てでは、一学期の末までは副題(テーマを決める期間)と位置づけて、複数の資料にあたるよりも一冊の本(基礎資料)を読み込む期間と位置づけているのが興味深かった。どうやってその基礎資料にたどりつくのか(基礎となる本を選ぶためにどういう力を身につけるか)が鍵ではあるけれど、面白いアプローチだと思う。また、生徒が必要な本は図書館で貸出すだけでなく購入の支援もしているそうで、これもこちらの探究型学習を支えている。図書館で借りるだけだと、2週間程度で返さないといけないし、書き込みもできないものね。「買う」という選択肢を提示できるのはいい。

ところで、今日一番印象に残った場面は、ちょうど図書館での生徒さんたちの発表が終わりに差し掛かる頃のできごと。授業を先に終えた中学生がぞろぞろと図書館に入ってきて、漫画や本やらを各自思い思いに眺めはじめたのだ。その様子がとっても自然で、「授業中だから入ってこないで!」と先生や司書さんが叱ることもなくて、とっても良かった。また、放課後には先方の司書の方と「大人の話」を含む色々なおしゃべりをしたのだけど、そこでも生徒さんたちが当たり前に図書館の中ですごしていた。

きっといつもこういう景色が展開されているんだろう。生徒たちが休み時間になるとふらっとやってきて、思い思いに過ごせる図書館。決して、立地がいいわけではないのにそんな空間を作っているところが素敵。うちの司書さんも「読みたいなと思わせる本がたくさんある」「ちょっと本の並びがずれているところも含めて、人がいる、利用されている感じがする」と、居心地の良さを感じていた。こういう図書館、いいな。さすがだな。

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