コーパス「少納言」を使ったワークショップ

今日の放課後は、国語科が主催する生徒向け講演会。講演会とは言っても、「現代日本語書き言葉均衡コーパス」の開発者の先生をお迎えして、一般公開されている簡易版のコーパス「少納言」を使ってのワークショップをしていただいた。

簡易版とはいえ、「少納言」は僕や生徒が触るぶんには色々な発見があって楽しいコーパスだ。利用に登録もいらず、ウェブサイト上で誰でも使えるのも嬉しい。お手軽なので、僕も言葉の使われ方をちょっと確認したい時に用例を見るのに使っている。

 ▷ 現代日本語書き言葉均衡コーパス「少納言」

ダウンロード

今日は一通りコーパスの意義やコーパス開発の話をしていただいたほか、とにかくコーパスの操作やエクセルにダウンロードしてデータ分析するやり方を簡単に教わって、そこからは生徒のグループ活動。エクセルの操作に戸惑った生徒もいたけど、そこは上級生がフォローしてくれ、なんとかなった。

生徒はグループで「欠点/欠陥」「もくろむ/くわだてる」「かわいい/かわいらしい」などの類義語の使用状況の違いについて分析して発表した。似たような言葉でも前後の文脈や共起語には違いがあって、コーパスを使う分析の面白さは体験してもらえたんじゃないかと思う。発表も、中学生の鋭い考察や先生のフォローもあって、なかなか面白かったし、勉強にもなった。最初はこのままの形でもいいから授業で調べて発表させたら、楽しんでやる生徒もいるんじゃないかしら。たとえば、てがかりに『ことばの意味 辞書に書いてないこと』シリーズに出てくる類義語を調べてみたらどうだろう。


コーパスを使った中高生の語彙調査や授業実践というと、僕が知っているのは元・東大附属中等(現・茨城大)の鈴木一史さんの実践くらい。けれど、作文教育への本格的な運用というのはあるのだろうか。ちょっと調べてみると、詳細はわからないが、日本語教育の分野では作文コーパスがあるようだ。

 ▷ 日本語学習者作文コーパス

生徒の文章データが大量にたまってきたら、それをコーパスにして「うちの生徒の文章に特徴的な語彙の傾向/誤用の傾向」とかが分析できると面白いなあ。今日の講師の先生のお話だと、技術的には「UniDic」というソフトを使うことで可能らしんだけど、僕にはまだハードルが高そう。どなたか教えて下さい…。

 ▷UniDic

日本語書き言葉均衡コーパス。今の位置づけは、まだ中高の現場で活用するには少し敷居が高いけど、「できる人はできる」あたりだろうか。せっかく作文教育に興味があるんだから、こういうのもいつかどこかで活用したいものだなあ。

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