昨日は二人の司書さんと市川学園に行ってきた。勤務校の図書館の立て直しでお世話になった前の管理職に挨拶に行くのと、「第三教育センター」と呼ばれる図書館を見学するためだ。「第三教育センター」とはユニークな名前だが、家庭教育を第一、学校での教育を第二の教育とした時の、「自分で自分を育てる教育」のことを意味しているらしい。
▷ 第三教育センター (市川学園)
上記リンク先の写真を見るだけでも広くて豪華な図書館だということがわかると思う。一見、大学図書館のような雰囲気の図書館で、以前に訪問した中央大附属高校の図書館を思い出させる。ただ、第三教育の場であるせいか、授業カリキュラムの中に図書館が根付いているというよりは、生徒たちが課題で自主的に使うための場として意識されているようだ。
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約12万冊の蔵書のうち開架は5万冊。蔵書構成としては、けっこう硬めの本が多い。学校のお薦めである「市川学園の100冊(中学生と高校生向けがある)」もクラシックな本が多く、大学生向けの100冊と言われても驚かないし、岩波文庫や岩波新書、中公新書がずらっと並んでいて、生徒が自分で買わないような硬めの本を意識して揃えている感じ。一方で、やはり貸出のメインユーザーは中学生ということで、読み物も多く揃え、青い鳥文庫をはじめとした児童書も多かった。多分全国でここの学校図書館にだけあるだろうユニークなコーナーもあって、うちの司書さんのテンションがあがってた。
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施設だけを見ていたら到底弱小のうちは参考にできないのだけど、司書教諭の先生が設計の失敗談を含めたここまでのお話を率直に語って下さって、 大変勉強になった。そして何より感銘をうけたのは、図書委員会の活動がとても活発であるということ。カウンター業務だけでなく、広報や文化祭での出展、他校図書委員会との交流会、読書会、ビブリオバトル、どくしょ甲子園と、さまざまな活動に積極的に参加している。広い司書室の奥にある、これまた広い図書委員会の委員会室には、組織図やこれまでの活動の記録や書き込みされたホワイトボードやらがあり、委員さんたちの活気がうかがえた。やっぱり、こういう隠れ家的なホームベースがあると、図書委員会生徒さんたちのモチベーションもあがるんだろうな。
うちの学校の分掌制度上、僕はいま図書委員会に関われる立場ではないのだけど、ここの図書委員会はうちの生徒にも見てほしいなあ。委員会室から見える生徒の自主的活動の様子に、まさにここが「第三教育センター」である所以を見たような気がした。