2018年5月は充実の読書月間。「くちなし」と「暴力の人類史(上)」に最高評価!

5月はゴールデンウィークがあったこともあって、読書頑張りました!15冊読んで、そのうちには650ページ越えの本も入っているので、最近でも一番充実した読書月間だったんじゃないかな? では、5月に読んだ本の中からお薦め本を書いていきましょう。

やっぱり面白いぞ!ピンカーの「暴力の人類史(上)」

その650ページ越えの本とは、スティーブン・ピンカーの「暴力の人類史(上)」。発売当初は、言語学のピンカーがこんなタイトルの本を書くの?と驚いたのだけど、さすがにピンカー、面白い!先入観と異なり、基本的に暴力による死がどんどん減っていることを明快に示している。人口当たりの暴力による死のランキングを作ると、1位は安史の乱だったというのは驚き(第二次大戦は9位)。国家の誕生、文明化、宗教や名誉(誇り)、イデオロギーの衰退、書物による共感能力の形成、人権などの人道主義的な考えの普及、平和維持活動など様々な要因が絡んで暴力がかつてないほど現象したのが、現代という時代なんだな…。

けど、650ページはさすがに分厚かった。図書館で上巻がいつも予約多数、下巻は予約ゼロなのもよくわかる。僕も上巻はクリアしたけど、なんだかそれでお腹いっぱい。6月に下巻を読めるかな?

高校国語教師必読?の國分功一郎「中動態の世界」

続いて、「高校で現代文を教えていると読まざるを得ない」感すらある國分功一郎「中動態の世界」。
意志や責任の哲学はこれまでも読んできたが、この本はそこに言語をからませたのが面白い。

「能動-受動」の「尋問する」パースペクティブとは異なる、「能動(主語が行為のプロセスの外にいる)-中動(主語が行為のプロセスの内にいる)」という新たなパースペクティブがかつて存在し、それが失われていくことで、言語的に「意志」が作られていった、という流れがとてもとても面白い。ほんと、自分が持つパースペクティブを疑うのって、難しい…。この本が「シリーズ・ケアをひらく」の一冊として刊行されたのも、とても興味深いというか、意義深いと思う。

こちらも国語教師必携かも?「英語を通して学ぶ日本語のツボ」

続いて、国語教師必読つながりで、こちらの文法の本を。もともとは、英語の五文型や文法用語が気になって見てみたのだけど、学校英文法と学校国文法の相違点と共通点が整理されてて、とても勉強になる。学校国文法には英語にはない「連体詞」や「形容動詞」もあれば、「副詞」「形容詞」など用語は同じでも働きが違う品詞もある。これって生徒にとって混乱の種。この本を使って英語教師と国語教師が双方の文法について勉強しておくと、とても良さそう。これ、文法素人の僕にはとても良い本だった。今月紹介する本の中で、国語教師に一番お勧めできるのはこの本かも。

個人的にストライクの素晴らしい作品集!綾瀬まる「くちなし」

高校生直木賞受賞作の綾瀬まる「くちなし」を今頃になって読んだら、超ストライク。とにかく、生きること(生殖すること)の悲しみ、その悲しみを受け入れることの美しさ、その上での喜びを描いたとても素敵な作品集

別れた不倫相手から思い出に左腕をもらう「くちなし」、花虫に誘われて人に恋する「花虫」、そして産むこと、生きることの意味を問うてしまう「山の同窓会」といった非現実的な設定の話が何より素晴らしい。その合間に、現実的な設定で、明るい恋や人間模様を描く「愛のスカート」「茄子とゴーヤ」が挟まれていて、良い息抜きにもなる。読書ノートにつけてるランキングで、ケン・リュウ「紙の動物園」以来の満点評価! 今月は、「暴力の人類史(上)」と「くちなし」のツートップという感じ。

詩歌のジャンルでも、良い出会いが

詩歌のジャンルでは、無事に西郷竹彦「名詩の世界」シリーズ4巻〜7巻の再読を終了。全7巻読むとさすがに冗長さを感じるけど、この冗長さが、考え方が定着してきたことの証。読み切って満足。

他にも詩歌関連で何冊か読んだけど、一押しは意外なところでTV番組「プレバト!!」の俳句コーナーがもとになってできたこの本、気軽に読めて内容も勉強になった。

芸能人たちの句のどちらが「才能アリ」「才能ナシ」なのか、自分の予測が当たらないところが面白い(笑)。助詞によるニュアンスの違いや語順による変化にも敏感になれる。俳句も自分で作ってみないとなー。

6月はきっと控えめのはず?

ということで、5月は個人的にも満足感のある読書月間だった。6月は教育実習もあるし、色々と立て込んでいるので読書量は落ちそう。でも、少ない中でも良い出会いがあればと思ってます!

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