書くことをめぐる権力の問題に向き合う。「新聞の読者投稿を書く」授業の後日談

今更だけど、メモしたいことがあったので、新聞記事投稿の後日談です。

どうなるかな? はじめての「新聞の読者投稿を書く」授業

2017.10.06

はじめての「新聞の読者投稿を書く」授業、わかったことと反省点。

2017.12.25

実はその後、合計で生徒のべ8名、教員2名(←なんと、同僚が生徒のを見て自分もと投稿したら載ったそう!)の掲載となりました。「のべ」と書いたのは、生徒に2回連続で掲載された強者がいるから。

文章構成力よりもアイデア勝負?

で、その生徒が言ってくれたことがちょっと気になっている。実は投稿で載るかどうかに、文章の構成はあまり関係がないのではないか、という仮説だ。彼の言うことをまとめると、

投書はそのまま載るのではなく、スペースに合わせ文字数や文体を整えたものがのるので、その時、編集者が文章を整える。だから、文章構成力よりも、社会に対する問題提起など、ストーリーの喚起力が高ければ掲載されるのではないか

ということだった。文章力よりもアイデア勝負の比重が重いのではないかという意見。なるほど、連続で載った生徒が書くとなんだか説得力を感じますね。

書くことの権力性の問題に向き合う

新聞投稿に関しては、他にも掲載された生徒が「編集者が文意を微妙に変えていた」ということに対する複雑な気持ちを表明してくれたこともあった。

この二人の言葉を聞いて思ったのは、新聞の読者投稿は、よくも悪くも「編集者の手が入る」という、書くことの場面における権力性の問題に向き合う機会になるということだ。「編集者の存在」を身をもって体験できたのは、この二人にとっては良い経験だったのかなと思う。今後も、中学生の授業ではやってみよう。

今回はコマ数も足りなかったし、設計段階でのミスもあったけど、ライティング・ワークショップの「ジャンル学習」として授業自体の価値は感じる。来年度はもうちょっとブラッシュアップして、上手にやれたらいいな。

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