旧型持ってる人も買うべき? 悩ましい新型ポメラDM200

先週末からの三連休のうち二日間は出勤、残りの一日は高校の授業での小論文課題(今週の水曜日までに下書きを提出)の原稿を書いていた。教師も生徒と一緒に作文課題を書くことの具体的メリットは下記エントリでも書いたので、今回はガジェット話。この下書き執筆に使ったポメラの新型が発表されたのですよ!

ミニレッスンで「時間間隔」を伝える

2015.01.29

目次

キングジム デジタルメモ「ポメラ」

http://www.kingjim.co.jp/pomera/

テキスト入力専用機ポメラ

ポメラはキングジムから発売中の「テキスト入力専用機」。何しろ、テキスト打ちしかできないのがよい。Twitterもネットサーフィンもできないので、書くしかないのだ。ソニーのデジタルペーパーはじめ、「地味目のデジタルガジェット」が好きな僕は、初代の折り畳み式DM10、画面が大きくなった改良版のDM20、そしてストレート型に変更になった現行機種のDM100と、いずれも発売直後に合計三世代も買っている。まあ信者、俗に言う「ポメラニアン」である。最近は5年間使っている愛用のDM100が、キートップがへたり気味になり、ゴム足もいくつか外れてしまったので、DM200発売の報を聞いた時には「おお!」と買う気満々で情報をチェックしたのだった。

5年ぶりの新ポメラ DM200は価格に見合った性能か?実機をチェック

http://japanese.engadget.com/2016/10/10/5-dm200/

ヘビーモバイラーがキングジムの新型ポメラ「DM200」を一刀両断!

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1023623.html

キングジムの「新ポメラ」は買うべきなのか?

http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/pickup/15/1003590/100400604/?rt=nocnt

しかしである。これらの情報をみる限り、DM100のユーザーがDM200を買うべきかというと、これが大変微妙なところ。悩ましい胸のうちを、自分の気持ちの整理をかねて書いてみよう。

新型DM200は現行機DM100の進化版

ポメラの新型DM200は現行DM100のコンセプトを引き継いで長所をのばした正統派進化版である。したがって、このDM100と比較して検討してみよう。まず、DM100→DM200になって良くなったところとして、以下の点があげられる。

  1. ATOKが強化された。
  2. 画面が広くなった(5.7インチ→7インチ)
  3. アウトライン機能がついた
  4. 打鍵感が向上したらしい
  5. Wifi接続に対応した
  6. 辞書に類語新辞典が加わった

一番うれしいのがATOKの強化と画面の大型化。この二つは確かに現行ポメラの大きな不満を解消する(ほかにはキーボードのサイズが小さいことも不満なのだが、これは変化なかった)。特にこれまでのポメラの文字変換は、お世辞にも賢いと言えなかった。レビューを読む限り、新型の文字変換には大いに期待できそうだ。画面も約40%も大型化したことになり、これもとっても嬉しい。

上記以外の改善点は「人によっては嬉しい」程度かも。僕の場合、アウトライン機能がついたことと、駆体が頑丈なものになって打鍵感がよくなった(らしい)ことの2点はとても嬉しい。DM100は駆体がややチープで、打鍵しているとキーボードがたわんだり、時々入力をミスすることがあったので。

一方で、Wifi接続については、これまでもFlash Air経由でEvernoteに保存できていたので、そう嬉しくはない。むしろWifiじゃなくて格安SIMで通信できるSIMスロットにしてほしかったくらい。なお、iPhoneやMacと連携できるpomera SyncはGoogleの二段階認証をオフにしないと使えないらしいので、僕はこの機能を使うことはないと思う。ご検討中の中はご注意を。辞書に類語新辞典が加わった点も、僕はすでにiPhoneに2つの類語辞典アプリを入れているので、特に嬉しくはない。

こっちは後退?DM200になって残念なところ

一方で、DM200になって残念に感じる所も少なくない。

  1. 値段が高くなった(38000円→49800円)
  2. 重くなった(440g→580g)
  3. 起動時間が長くなった(2秒→4.5秒)
  4. 乾電池駆動からリチウムイオンバッテリーになった
  5. 充電の持ちが悪くなった(30時間→18時間)
  6. バッテリーの充電に5時間かかる(これまでは電池を交換すればすぐに使えた)
  7. キーピッチ(キーボードの大きさ)は変わらず

重さと起動時間の増大は、初期のポメラ(ポケット・メモ・ライター)のコンセプトからすると隔世の感がある。ポメラはもはやいつでもどこでも手軽に書くものではなく、パソコンと同様に腰を落ち着けて書く現代のワープロになのだろう。まあ、これについては、僕もメモとしてポメラを使うことはないので、異論はない。580gの重さも、パソコンに比べればまだ軽いし、剛性感や打ちやすさと引き替えで我慢できる。

問題は、リチウムイオンバッテリーになり、かつ充電の持ちが大幅に悪くなったところ。バッテリーになったということは、パソコンと同じく2年間も使えば最大駆動時間が2割くらいは劣化するのだろうか。一度の充電で使える時間が減ったのも残念。ただ、これは今までも公称の30時間も使えるとは思えなかったので、実際にどれくらい減少したのかはわからない。しかし、これまでは乾電池を交換すればすぐに使えたものが、充電にも5時間かかる仕様になったのは非常に痛い。これまでと違って、交換用の予備の電池を用意するわけにもいかないのだから、モバイルバッテリーを持たない僕には大きなマイナスだ。

さらに、最大の問題は約5万円という値段の高さである。思えば初代ポメラDM10の26000円も「テキスト打つだけで2万5千円超!」と驚いたのだが、約倍近い値段だ。さすがに「…だが、それがいい」と言える値段ではなくなっている。現行でもキーボードの小ささは否めないので、5万円もするなら、フルピッチのキーボードと10インチの画面くらい採用してくれないと、と思う。

結論!買うべきなのはむしろ…?

結局は、すでにDM100を持っている僕にとっては「画面の広さとATOK、それにプラスアルファで打ち心地の良さとアウトライン機能に5万円を支払えるか」ということになりそうだ。こう書いてみてはっきりした。現状の答えはノーである。

ほかにも、たとえば現行DM100では使いにくい画面の2分割表示が改善されているかなど、実際に手にとってみないとわからない面はあるものの、基本的には見送りかなあ。これに5万円出すならApple Watch Series2がほしい。

思えば、現行のDM100は不満もそれなりにあるが、かなりバランスの良いマシンなのだろう。これ以上改良しようとすると、どうしても値段やら充電やらで不満が出てきてしまうのではないかな。DM100はすでに生産終了したらしく、現在市場に出回っているぶんが最後。むしろ、新型よりも予備にDM100をもう一つ購入したほうが良いんじゃないかという気がしてきた…。あなたはどっちを購入しますか?

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4 件のコメント

  • 私も予約入れてから、同じ心境になりました・・・。やはり電池が使えたほうが便利だと思いますし。でも初ポメラですので、これはこれでいいのかも?と、自らを慰めてます。

    • 初ポメラならDM200を買われるのが良いと思いますよ。たぶん性能は一番いいですから!

      すでに持ってると、わざわざ買い直すのも…と迷ってしまうんですよね…。

  • ポメラDM10が気に入って買いました。
    1年ぐらい使いましたが、日誌程度で使いこなせませんでした。

    DM100が出て、ワンタッチ起動が気に入り、また買ってしまいました。5年たった今も使っています。しかし、年金生活になって簡単メモぐらいで作ったファイルの9割が表編集でした。
    毎日の血圧・検査データ記録、支払管理、口座番号・残高、ログインID・パスワードなど重要な物ばかりで今もリビングの机で入力しています。
    http://8246.teacup.com/pomeradm100/bbs

    DM200をwebで見て、ヨドバシ.comに予約しましたが、表編集が無いことが分かりキャンセルしました。DM10の苦い経験は繰り返したくありません。

    • 表機能もなくなったのですね。僕自身は表をまるで使っていなかったので、気にしておりませんでしたが、毎日のデータを比較できるので、使っておられる方には問題ですね。あと、そちらの掲示板を拝見して、辞書機能を文字変換の助けに使うという方法をはじめて知りました。ありがとうございます。