家族史と地域史に特化!雰囲気満点のリサーチ専門図書館・Priaulx Library

ガーンジー島滞在中に、賑やかな中央通りから坂を登って、丘の中腹にある緑豊かな公園へ。美術館のあるその隣に、Priaulx Libraryという公共図書館がある。

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外観はまるでお金持ちの邸宅? それもそのはず、この図書館はもともとPriaulx家という貴族の邸宅で、1889年に膨大な書物とともに寄付されて公共図書館としてオープンしたそうだ。そしてこの図書館、下記エントリで触れた「基本的な機能がしっかり詰まった」中央図書館のGuille-Alles Public Libraryとは対照的に、一点集中型の図書館なのである。今日はこちらの図書館について書いてみたい。

子育てに最適な島!? ガーンジー島のGuille-Alles Public Library

2016.04.06

さすが元貴族の邸宅!雰囲気満点の内装

この図書館、入るとこんな室内が広がっていて雰囲気満点。厳粛な雰囲気さえ漂って、空気を読めないうちの息子もしばらくは自然と小声になったほど(笑)。

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見回しても、児童書コーナーがありそうな気配は微塵もない。「あれ、ここ公共図書館だよね、会員制かな?」と一瞬不安になった(ロンドンでふらっと入った公共図書館が会員制ということがあったので)。

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それでスタッフの方に聞いてみると、ここはグーンジーや周辺のチャネル諸島の人々の家族史やこの地域の歴史(特に戦史)の調査に特化した図書館なのだそうだ。

家族史を調べて書く人々のための図書館

「家族史(family history)」というのは渡英するまでピンとこなかったのだけど、要は自分のご先祖様の系譜を調べるもの。日本でも系図作りをする方はいると思うが、こちらでは結構ポピュラーらしく、図書館でもしばしば「家族史を書く」というワークショップもあるほど。

「文学の街」エディンバラの中央図書館を歩く

2015.09.06

ここの図書館では、教会の戸籍の記録や過去の戸籍のマイクロフィルムが保存されていて、希望者はそれを閲覧できる。また、専門の研究員である図書館スタッフの助けも有料で借りることができる。

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しかし一体何でこんなに図書館で家族史を調べる需要があるのか。図書館員さんは「核家族化が進んでかえって自分の来歴に関心を持つようになったのではないか。いいことだと思う」と話していたけど、同じく核家族化が日本ではそんなことない。宗教的な基盤もあるのかな、どうなんだろ。

チャネル諸島の歴史調査はこの図書館にお任せ!

そして、家族史と並んでこの図書館の蔵書の中心なのが、チャネル諸島の歴史に関する本。中央図書館のGuille-Alles Public Libraryにも地域資料コーナーはあったのだけど、ここの地域資料は圧倒的だった。一次資料から研究書まで、ガーンジー島・サーク島・ジャージー島(「ジャージー牛乳」原産の島)の歴史に関する資料がこれでもかというほどたくさんあるのだ。

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この島は1940-1945年はドイツに占領されていたという過去もあって、軍事関係の資料は特に豊富。従軍兵士からの家族にあてた手紙をまとめた本もある。基本的には英語の資料が中心だがフランス語の資料もあり、きっと大学の研究者や郷土史家が足繁くこの図書館に通ってくるのだと思う。

小さいながらも個性強烈な専門図書館

このように、館内の各所に重厚な雰囲気があり、ガーンジー島に関係する貴族の紋章なども飾られている。かと思うと、1階には観光客向けかな?と思わせるガーンジー島に関するグッズなども販売している。

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歴史の事は全然わからないけれど、アームチェアに腰掛けてずっと過ごすのもいいなと思わせる、小さいながらも強い印象を残す「とんがった」図書館。子供向けのコーナーもフィクションもないけれど、こういう図書館は見てても面白いなあ。

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