これだけある、カンファランスの種類

引き続き、Let’s Talkを読書中。普通、ライティング・ワークショップで言うところの「カンファランス」は、教師と生徒の一対一の面談を指す。たとえば以前に触れたこの本も、一体一での面談で教師がどのように質問や指示をするのか、という点に絞って書かれている。

名人教師からカンファランスのやり方を学ぶ

2015.04.04

Assessing Writers
Carl Anderson
Heinemann
2005-06-03


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ところが、オーバーメイヤーのLet’s Talkで面白いのは、この一対一の面談を「伝統的なカンファランス」と呼び、それ以外のさまざまなカンファランスの形について触れていることだ。



この本には、これらのカンファランスが紹介されている。

(1)教師一人と生徒一人のカンファランス
(2)教師一人と生徒複数の小グループカンファランス(Guided writing)
(3)教師が全員の前で一人と行う公開カンファランス
(4)生徒一人と生徒一人のピア・カンファランス
(5)生徒が小グループで行うピア・レビュー・カンファランス


まずは、これだけのやり方があることに驚く。とはいえ、グループ・カンファランスは、日本でも岐阜県の高校の先生・木村正幹さんによる実績があるし、僕自身も生徒同士のカンファランスが日本におけるライティング・ワークショップ実施の鍵だと思っているので、(4)や(5)については想像の範囲内。



 

そもそもなぜ生徒同士で作文を推敲しあうのか?

2015.02.08

むしろ、(2)や(3)といった教師主導のカンファランスのバリエーションが参考になった。僕は教師と生徒のカンファランスといったら一対一しか発想がなかったのだが、(2)や(3)のパターンがあるのだな。特に(2)の方法は、例えば、ある技術が苦手な子を大福帳などから特定して、書く時間の最中に集めて指導する、ということができるかもしれない。実際、モデルにしているのはリーディング・ワークショプでのGuided readingだそうで、同じような考え方で実現可能なのだろう。授業での既習事項が身についていない生徒への指導を一人一人やるより、少人数で一緒にやった方が、大幅な時間の節約にもなる。とにかく一対一のカンファランスには時間がかかるので、このやり方も模索してみる価値はありそうだ。いつか自分の授業でも試してみよう。
 

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