続・ラーニング・ピラミッドは眉唾だ

以前、ラーニング・ピラミッドは怪しいよというエントリを書いた。

 

ラーニング・ピラミッドは眉唾だ

2015.04.29

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そしたら先日、Facebookでこんな記事がシェアされてきた。記事自体は2014年1月のものだ。

 ▷ 「学習のピラミッド」モデルというゾンビ(記事紹介) (CAポータル)

内容は、米国大学・研究図書館協会(ACRL)のブログACRLogのエントリ”Tales of the Undead…Learning Theories: The Learning Pyramid”の紹介記事で、そこではやはりラーニング・ピラミッドに信頼性がないことが書かれている。ざっと読んでもらえると、ブログの内容も大づかみにできる。ちなみに、もともとのブログ記事はこちら(英語)。

 ▷ Tales of the Undead…Learning Theories: The Learning Pyramid (ACRLog)

ラーニング・ピラミッドについては、それを根拠として引用する人を見るたび「なんだかなあ」とは思っていたけれど、まあ、そういう話なんだと思う。

もちろん「すべての情報は必ず出典にあたるべし!」とまで言うのは現実的ではないし、僕だっていちいち出典を確認するのは授業やプレゼンなど、公的な場で誰かに発表する時くらいでだ。だから、どちらかと言うと、この話は「出典を調べない教師はダメ!」という話ではなくて、「教育現場には余計な願望がいっぱい入り込みやすいので、自分の信念に都合の良い「科学的」なお話には慎重になろうね」という話になるかと思う。だって、10%、20%、30%….と10%刻みでデータが出るなんて、普通に考えたらどうしたって怪しい話なのだ。普通だったら気づくはずのそれにすら気づかないというのは、結局「自分が言いたいこと」をこのデータが「科学的」に代弁してくれているからに他ならない。そういう時、自分も含めて、人はとても騙されやすいんだろう。

基本的には「水からの伝言」や「EM菌」と同類の話かもしれないが、ラーニング・ピラミッドは教師にとって、「いい教訓」になるんじゃないだろうか。

(7/17追記)
図書館がレファレンスの過程と結果を示してくれる「レファ協」にもこんなQ&Aがあがっていました。ご参考まで。

 ▷ ラーニングピラミッドの元のデータ(論文)を探している。特に平均学習定着率の根拠となった論文は何か。  (レファレンス協同データベース)

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