ある公立小学校の図書館の現状

うちの子どもたちが通う小学校、今月は読書月間で、なんと貸出冊数が倍増中。

……その数なんと2冊!

ふだんは「1冊1週間まで」が規則。おまけに開館時間は「火曜と木曜の昼休みのみ」。司書の配置は週1日だけという、正直なところお寒い状況だ。

実は、一昨年までは中休みにも開いていたのだけど、 児童さんが何か器物破損を起こしたということで、昼休みだけの開館に。ただ、それがいつまでたっても元に戻らないので、娘からも「いつ開館時間がもとに戻るのか先生に聞いて欲しい」とリクエストをうけていた。読書好きの彼女はもう4年生、図書の時間もなくなったので、図書館の開館時間は大いなる関心事なのである。

何度か担任の先生とのやりとりを経て、昨日、急遽管理職の先生と面談することに。僕は行けなかったので、 妻と質問項目を打ち合せて、妻に面談に行ってもらう。結果をかいつまんで言うと、

・「生徒が器物破損を起こして」という理由は、ただのきっかけ。今後も元に戻すつもりはない。
・学校現場は忙しい。学校図書館法が改正されようが何だろうが、人員配置がされない限り何かをするのは無理。
・図書館の教育効果や総合的な学習の意義よりも、現状の人員での管理を優先する。
・司書教諭を中心にした校内の図書館体制について聞いた所、管理職の先生自身が司書と司書教諭の違いをわかっていなかった。


 ということで、妻が貸出作業のボランティアを募ることを示唆してもかえって迷惑げに断られる始末。残念ながら、こちらからすると「手のつけようがない」結果だった。この学校はお昼休みには外遊び奨励の学校でもあるので、図書館に人手を割きたくないという意識があからさまだったようだ。

 ▼

…厳しいなあ、と思う。うちの子どもに限って言えば、我が家に本はまあそこそこあるし、週末にはみんなで公共図書館にも行くのでカバーはできる。けれども、家に本がない家庭の子は、ほとんど読書する機会を奪われてるに等しい。ふだん見学に行く学校図書館は、基本的にいい図書館や、苦しい状況でも一工夫されてる司書の方ばかりなので、自分の子どもの通う学校図書館がこれだと、ちょっと脱力する。

これで一方では、都内でも低い学力水準の底上げを図るために、ICTだのシンキング・ツールの導入だの、そういう方面にお金が使われている。どこに予算がつきやすいかとか、そういう事情もあるのは同業者としてよくわかる。それでも、お金の使い道、間違っていると思わざるをえない…(^_^;)

この記事のシェアはこちらからどうぞ!