ICTで探究型学習のプロセスを支えよう

今日はこちらのエントリでも書いたICT系の勉強会に参加して、10分ほどのプレゼンテーションをさせてもらった。そこで話したことの概要を、もっと補足・整理してまとめておく。

教育系ICT勉強会に参加してきた

2014.09.25

いま、様々な学校で取り組みが進められている探究型学習。その学習プロセスにおける生徒の活動には様々な段階がある。例えば、探究型学習の代表的モデルの一つであるInquiry Modelに従うと、「計画する(Planning)」「情報を検索する(Retrieving)」「情報を利用する(Processing)」「創造する(Creating)」「共有する(Sharing)」「評価する(Evaluating)」のプロセスを、中心で「振り返る(Reflecting on the Process)」が支えているという構図になっている。

 ▷ Focus on Inquiry (PDF)

さて、こうした探究型学習ではICTが活用されることも多い。それは、探究型学習が基本的には個別学習であり、生産をともなう学習であり、そのために必然的にICTの活用を要請するからだ。 

そして今の所、教育系企業は、このプロセスのうちの「創造する」や「共有する」など、アウトプット方面を中心にして、ICT活用事例やサービスを提案しているように思われる。 プレゼンテーションソフトや生徒の作品を共有するアプリなどがその代表例だ。

 ところが実際には、探究型学習の質を左右するのは、プレゼンのうまさとかそういう表面的なものではなくて、「計画する」「情報を収集する」段階の作業の質なのである。例えば、どういうキーワードで検索するか。どういう本を調べるべきか。この方面も個別的な作業になるので、教員が一人で把握することは難しく、ICTの活用が期待される分野だと思う。でも、この分野での魅力的な提案をまだ見たことがない。この辺りは、教育ICT系企業にとっても「宝の山」だと思うので、ぜひ取り組んでほしい。

ざっとこんな内容。もちろん企業に向けて提案するだけでなく、自分の勤務校で「情報を収集する」段階の質を高めるためにどういう試みを始めたかという話もした。というか、上記のように文脈を固めつつ、実際にはうちの学校の話をするのがこちらの狙いだったりする。

実はうちの同僚が、自校図書館/大学図書館/公共図書館を串刺し検索できる便利な検索システムを、2年くらいかけて作ってくれたのだ。これは使ってみるとわかる、大変ありがたい検索システムなのである。だから開発してくれた同僚のためにもこれはぜひ対外的にもアピールしたかったのだ(笑)

プレゼン後は質問も4つばかりいただいたし、勉強会の終了後に教育系プレゼンアプリのロイロノートの方ともお話できたので、自分のメッセージは聴衆に伝わって、興味を持ってもらうことはできたんじゃないかと思う。急遽のプレゼンだったけど、同僚へのささやかなサポートにはなったかな。

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