先行研究の読み方についての情報まとめ

学校の先生たちって、自分が関心ある分野の論文や文献の読み取りをどんな風にしているんだろう? 意欲ある人で専門書や研究論文を読む人は少なくないと思うのだけど、かといって職業研究者でもないので、時間もないし、どうしても系統だって研究動向を押さえることは難しい気がする。

僕自身、ここ2年くらい作文教育に関する本を読もうとしてるんだけど、きちんと整理しないまま読み散らかしているので、読んだ後に忘れてしまうことばかり。特に英語の論文は正直読むのも一苦労なだけに、このままだとせっかく読んだのにもったいないなあと感じている。

趣味人として読むならそれでもいいだろうけど、一応プロフェッショナルである国語科の教員として読むんだから、もう少し自分の授業や考えの立ち位置が明確になるような読み方をしたいなあ、と思っていた。

というわけで、先行研究の読み方やまとめ方についてのブログをざっと読んでみた。そのリンク先をまとめてみる。まずは、なんでそもそも先行研究を読むの? というお話。

 ▷ 結論から言えば、参考文献リストは長いほどいい/文献収集が論文執筆にもたらす4つのご利益
(読書猿Classic)

「読むこと」「書くこと」について非常に有益な知見を多々書いている読書猿さんのブログより。基本的には論文執筆のための効用だけど、これは現場の教員にも同じ効果をもたらすはずだ。

では、どうやって先行研究を探せばいいのか。入り口としてレビュー論文の活用を薦めているのが、中原淳さんのブログ。この主張はわかる。でも、実際にはレビュー論文の参考文献をチェックしただけで息切れてしまうんですけどね…(^_^;)

 ▷ 先行研究の探し方:レビュー論文には「過去への入口」と「軸」と「これからの課題」がある!?
(NAKAHARA-LAB.NET)

そして、レビュー論文を手がかりに先行研究の山にたどり着いた後で、それをどうまとめていくかというのが次の話だ。中原さんは、先行研究を自分のリサーチ・クエスチョンというアウトプットにどうつなげて行くのか、そのロードマップを示してくれている。

 ▷ 先行研究をまとめる5つのプロセス、陥りやすい3つの罠 (NAKAHARA-LAB.NET)

ここで示された「コレクション」「クリティーク」「ストーリー」「フォーカス」「コネクション」という五段階はわかりやすい。しかし、これだと、自分はまだ「コレクション」も足りてない段階だな…。どよーん。

しかし、「クリティーク」や「ストーリー」って具体的にどう浮かび上がらせればいいんだろうか。中原研究室出身の立教大学・舘野さんのブログでは、主にこの「クリティーク」「ストーリー」の段階について、もう少し丁寧に解説してくれている。

 ▷ 僕が中原研で学んだ「先行研究の読み込み」に必要な3つのポイント (tate-lab)

さらにこの「クリティーク」を明確に行う上で圧巻なのは、「読書猿Classic」で紹介されている「レビュー・マトリクス」という方法だ。

 ▷ 集めた文献をどう整理すべきか?→知のフロント(前線)を浮かび上がらせるレビュー・マトリクスという方法 (読書猿Classic)

このマトリックスはすごいなあ。こういう風にして文献を読んで行けば、たしかに個々の論文や研究動向を抑えることができるし、ここから自分なりにストーリーを組み立てて行く際にも役に立つと思う。

時間がない中でせっかく読むんだから、こういう風に自分の整理につなげられる形にしたいな。この冬休みに読む論文から実践してみたい。(「ダイエットは明日から」的な…?)

 

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